伝統的な会津絵ろうそくは、自然の原料や素材のみで製造することができます。ここでは会津絵ろうそくの原料と作り方を説明いたします。
会津絵蝋燭の原料は以下の通りです。
会津絵ろうそくの蝋は、東北地方では漆、九州・四国・山陰地方では櫨の実から取られました。主に木蝋と呼ばれる植物から取れる蝋を用いています。漆樹の蝋は、農作業の閑散期に採った実を乾燥させてから臼に入れて搗き殻をとって蝋粉にします。蝋紛は麻袋にいれて窯でゆでた後、絞り機で絞りとって蝋を精製しました。絞ったばかりの蝋は緑茶色なので天日に晒して白色にしていました。明治・大正時代においても同じ手法で精製されていました。
もう一つ、会津には会津蝋と呼ばれる蝋があります。会津蝋はイボタロウムシと呼ばれるカイガラムシが分泌する蝋成分を集めて蝋を精製するもので、不純物が少なく白い蝋が特徴です。
※小澤ろうそく店の蝋小屋に残っていた窯と搾り機は、その当時の製法が垣間見えるものでした。
※会津蝋は別名イボタ蝋ともよばれている。
会津絵ろうそくの芯は、和紙と井草の髄をすいたスポンジ状のものを用います。
会津絵ろうそくの絵は、水性の絵の具を用います。
絵付けの際に絵が綺麗に描かれるように呉汁と呼ばれる豆などすり潰してできる汁を用います。
会津絵蝋燭の作り方は以下の通りです。
まず初めに竹串に和紙を巻いてその上から井草の芯を巻いて会津絵ろうそくの芯をつくります。
次に会津絵ろうそくの芯を蝋に浸して芯固めを行います。
芯固めを行った会津絵ろうそくの芯の先を小刀で削って形を整えます。
芯研ぎを行った芯に蝋を繰り返し重ねてつけて太くしていきます。
ある程度太くなった会津絵ろうそくをカンナをかけて形を整えます。
形を整えた会津絵ろうそくの表面に呉汁をつけて絵付けできるように表面を加工します。呉汁が乾いたら草花の絵を絵の具で描きます。
草花の絵を描いた会津絵ろうそくにもう一度蝋をくぐらせて薄い膜をつくり艶やかに仕上げます。